スーパーに並ぶ高級いちご。
今は時期ではないですが、
冬から春にかけて、大粒で形も色も揃っていて、
真っ赤でピカピカのいちごが、
きれいな化粧箱に入って、
一箱3,980円とか。
もちろん買ったことありません。
誰が買うのかというと、贈答用やお見舞い用です。
高級ないちごが高値で売れる。
これは当たり前。
では、スーパーで1パック598円のいちご、
同じものが798円で売れるとしたらどうでしょう?
そっちで売りたいですよね。
それはどこでしょう?
答えは生協です。
これは、あるいちご農家さんに伺った、
驚きの裏話です。
その農家さんは、普通に卸市場にいちごを卸していますが、
いくつかの生協と直販取引をしています。
また、季節になるといちご狩りをしています。
さらに、ビニールハウスの横で、通りがかりに人にも
直販しています。
どのお客さんが一番、「いい」お客さんかというと、
生協のお客さんなのです。
なぜなら、
「粒が揃って”いない”いちごが高値で売れるから」
自然志向が強い生協のお客さん。
ピカピカの粒ぞろいの人工的ないちごよりも、
自然栽培感たっぷりの、粒が揃っていないものが、
好まれるそうです。
我が家も生協の会員なので、その気持ち、
よくわかります。
でも、どれも「同じ」いちごなんです。
生協のちらしには、その農家のおじさんが、
作業着を着て、鈴なりのいちごの前で
「にかあっ!」と笑っている写真が掲載されています。
有機肥料使用、○○さんのこだわりいちご!
というキャッチで、いちごのアップは確かに
不揃い。
野菜なんかも、生協には形の悪いものを、
選んで出荷しているそうです。
それが望まれているからです。
生協の会員としては、知ってしまうと、
ちょっと腑に落ちないハナシではありますが、
マーケティング的には、
実に腑に落ちるハナシなのであります。
ターゲットによって価値基準が異なり、
価格が変わる顕著な例です。