海のものを「生」でいただく醍醐味、あわび初体験記

では、学生時代の対馬旅行での初あわび体験でした。

対馬には他にもいろいろな思い出があります。
思い返せば、この対馬旅行を機に、
「海」へ目覚めていったのでした。

 

壱岐から対馬へ向かうフェリーの中。
フェリーは対馬暖流に横に流されながらも、
着々と対馬へ向かっていました。

3等客室大部屋で、たまたま知り合った
おじいちゃん、おばあちゃんに、
宿が決まってないなら、旅の途中で、
うちに寄って泊まっていきなさい。
と言われて、住所を渡されていました。

 

対馬に渡ってから数日後、
いくつもの山と谷を越えて、
小さな漁村にたどり着きました。

おじいちゃんとおばあちゃんは、大歓迎してくれました。
晩飯は今から釣りに行くから、ついておいで。
と言われ、暗くなってから、2人乗ればいっぱいいっぱいの、
小さな舟で小さな漁港を出発しました。

 

沖にはたくさんのいか釣り船が、煌々と集魚灯を照らして、
まばゆいばかり。

一方の我らが小舟は、小さな集魚灯一本で、
頼りなげに沖へ沖へ進んでいきました。

「この小さな集魚灯で、いかは集まるんですか?」
「あはは、大きな船が明るくしてくれてるから、
近くまでいけば、大丈夫」

といいながらも、おじいちゃんは舟の位置を決めるときには、
月明りで、厳しい目で山立てをして、
今日の漁場を定めているようでした。

 

いかりを下ろして、見よう見まねのいか釣りスタートです。

なにが違うのか、おじいちゃんの糸には、いかが、バンバンかかり、
私の糸にはさっぱりでした。仕掛けは変わらないのに、、、

あきらめかけたころに、ようやく一匹私の糸にかかり、
帰路につきました。

 

家に帰ると、あばあちゃんの出番です。
まずは刺身に始まり、天ぷら、塩だけで煮たもの、
しょうゆで煮たもの、焼きいか、、、
フルコースで、もう無理です。といってからも、
まだまだ終わりは来ませんでした。

 

なにが一番びっくりしたか?

最初に出てきたいかの刺身です。

海からあがったばかりのいかを見たのもはじめて。
あやしく色をかえる透明ないか。
さばいたばかりのいかは、ほぼ透明でした。

その透き通ったいかの甘さは、
未だに忘れられず、これ以降、
その甘さを追体験することなく今に
いたっています。

いか

 

いかは白いものと思っていた私は、
いったいいままで、何を食べていたのでしょうか?

鮨と”i

では、鮨の世界で「はじめてのいか」に感動しましたが、
その対極にあるのが、釣ったばかりのいかなのです。