もとは「合法ハーブ」という名前で
販売されていました。
合法はマズいということで、
脱法ドラッグ
という呼び名で統一されました。

ところが、「脱法」というネーミングも、
規制の対象外ということを連想させて、
この違法なドラッグの蔓延を助長していると
批判を浴びました。

そこで、警視庁は、7月22日新たな呼称、

危険ドラッグ

を発表しました。

さっそく今日のニュースから、
マスコミは、危険ドラッグという言葉を、
積極的に使い始めています。

安易に危険ドラッグに手を出す人が、
増えないことを切に願います。

 

この「危険ドラッグ」という呼称も、
カンボジアでスラム生活経験のある
ドラッグ経験者に言わせると、
なまっちょろいとのこと。

ドラッグ事情通「脱法ドラッグが『危険ドラッグ』って名前になったらしいけど『バカ薬』や『粗悪ドラッグ』とかのほうがいいんじゃねえかな」

バカ薬」には笑いました。
確かにこの名前だと、
手を出す人減りそうですね。

ネーミングの付け方を、
警視庁、厚生労働省はちょっと間違えています。

マーケティングとして考えた時に、
どのようにネーミングすればよいか、
考えてみましょう。

1)多数決で決めない

警視庁、厚生労働省は、
ネーミングを広く公募して、
最も多い頭言葉として、
「危険」を抽出し、
うしろの言葉も、最も多い
「ドラッグ」を選び、
それらを組み合わせた
「危険ドラッグ」としました。

動物園の赤ちゃんの名前公募ではないので、
戦略的なネーミングをつける必要があります。
公募して最大公約数を選ぶというやり方は、
最もしてはいけないやり方です。

2)目標設定を明確にする

「戦略的に」ということはまず目標がはっきり
していなければなりません。
この場合は、

「危険ドラッグに手を出す人を減らすこと」

でしょう。となると、ターゲットは、

危険ドラッグに手を出しかねない人

となります。

もし市場調査するなら、ターゲットにこそ、
インタビューすべきであり、
遵法意識の高い一般市民の意見を聞くのは、
そもそも筋違いというものです。

3)顧客視点で考える

ターゲットは、
「危険ドラッグに手を出しかねない人」
なのですから、その人が、
どのような発想で、
危険ドラッグに手をだしてしまうのか。
という視点がとても重要です。

これは経験のない私達には、
なかなか難しい視点です。
ドラッグ事情通さんが言及していることが、
たいへん参考になります。

要約すると、

「危険」だからこそ、チョイワルドラッグに手を出す。
俺ってワイルド。と思いたい。
危険ドラッグの粗悪さを知らない。
ダサいことには手を出さない。

 

以上、1),2),3)は、
どんなネーミングやコピーを考えるときにも、
大切な基本中の基本です。

1),2),3)に沿って私が考えたネーミングは、

低級合成剤

です。

「危険」とか「ドラッグ」とか「薬(ヤク)」
とか、ちょっとかっこいい言い方なんです。
ダサい名前がいいと思います。
ネーミングだけで抑止できるわけではありませんが、
毎日マスコミが連呼するのですから、
ターゲットの頭に中に否が応でも刷り込まれます。
ネーミングは重要です。

低級合成剤なんてカッコわるぅ(*_*;

ビンタ