確か幼稚園に入る前だったと思います。なぜか近所のおじちゃん、おばちゃんたちが大勢見守る中、父は「ちゃんと持ってるから」「だいじょうぶだから」とお決まりのセリフで、私の背中を押したのでした。
その日はじめて補助輪をはずして、極度の不安の中、フラフラとしながらも、なんとか態勢を立て直しました。気がついてみると、たった一人で補助輪なしの自転車をこいで、まっすぐ走っていました。
「オレはいける」
とかすかな自信がフツフツと沸き上がってきました。
ところが、どいういうわけかハンドルを切ることができません。そこで止まればいいものを、なぜか止まり方もわからなくなり、周囲の
「わーーー!!」
という悲鳴の中、よりによって向かいの八百屋さんのシャッターに、思いっきり突っ込んで、
「ぐわしゃあああん!!」
とド派手な音とともに、撃沈しました。その後のことは覚えていませんが、大泣きしたに違いありません。
まことに赤っ恥なデビューでしたが、少年時代は自転車にばかり乗っていたので、その後遺症はなかったようです。
私の娘が補助輪無しで自転車に乗ったのも、おおむね同じようなやり方でした。彼女はシャッターに突っ込むこともなく、無難にスタートを切りましたが、、、
そんな光景が変わるかもしれない、画期的な自転車があります。
Jyrobike – Auto Balance Bicycle
KICKSTARTERからクラウドファンディング募集中です。
前輪にジャイロが仕込んであって、簡単には倒れない仕組みになっています。つまりはじめから補助輪なしで、自転車に乗れるということです。3段階に調節できるアシストレベルを徐々に下げていけば、見事、アシストなしで自転車に乗れるようになるのです。
4年前から開発が進んでおり、すでに1万人以上の子どもたちが、これで自転車に乗れるようになりました。
2015年には大人用モデルを発売する計画です。自転車のイノベーションになるかもしれませんね。